腹腔鏡手術
私にとって最初の不妊治療は、両側卵管閉塞の治療「腹腔鏡手術」でした。
腹腔鏡手術は、当時まだ名前も浸透していなかったので、
全くイメージができませんでした。
どのような手術かというと、開腹をせず、下腹部に数か所の穴をあけ内視鏡を通すという医療技術です。
体への負担が少ないということで、チャレンジすることにしました。
いざ、腹腔鏡をやってみると想像以上に大変でした。全身麻酔をしますし、開腹しないとはいえ体に異物を通して治療するのですから、しばらくはお腹の痛みが続き家事も困難でした。術後2週間後に仕事復帰した時は、不正出血が続いていました。
ちょうど、この時、私は、仕事で転勤したばかりでした。
出産、子育ての経験がない人ばかりの職場だったので、
人間関係がきぐしゃくしていたことを覚えています。
不妊治療しているから仕事を休むという感覚が、理解してもらえなかった事は
すごく後ろめたい気持ちになってしまい精神的にきつかったです。
仕事を休むのは、迷惑をかけてしまう事に変わりありませんが、不妊治療はその人の一生にかかること
産休、育休休暇は、ずいぶんと浸透してきましたが、不妊治療に対する特別休暇ももっと普及させるべきだと
その時強く感じました。
半年の自然妊娠チャンス
身体に負担がないと言われた腹腔鏡ですが、実際は結構長い間、お腹の痛みや不正出血に
悩まされました。
なにより、術後半年は、妊娠しやすいと医師から告げられていたことで
期待というよりかは、焦りの方が大きかったように思います。
母の言葉通り、医者のいう事をまじめに聞いて、病院に通うものの、何時間も待たされて疲弊し、
同じ待合室で、妊婦さんに合うのも見るのもが嫌になっていきました。
「なぜ私には赤ちゃんが授からないのだろう?」
このことを母に相談したところ
不妊治療を専門にしている病院があると聞き、早速、飛び込みで受診してみる事にしました
初めてのドクターハラスメント
不妊治療専門の病院は、自宅から車で40分ほどの場所にありました。
夫婦二人で、一番実績のあるという医者に診てもらうことができました。
しかし、そこでの医者の言葉は、すさまじく冷たい物でした。
「今まで別の病院で治療をしていて、なんのデーターも持ってこないで
ここへ来たのですか?」
医者の立場からすれば、私という患者は邪魔な存在!
「待合室で、妊婦と合うのが嫌だから、転院したいなんていう理由は
受け入れられない!」
と言われました。
いわゆるドクターハラスメントです。
期待をもって行った病院で、まさかこんなことを言われるなど想像もしていなかったので、
帰りの車の中で泣き叫んだのを覚えています。
主人も運転している横で、私がこんな状態になってしまい辛かったと思います。
不妊治療とメンタル(精神)の深い関係
私は、このドクターハラスメントの経験から、たくさんのことを学びました。
1,医者と患者は、信頼関係でつながっていかなければならないこと
※これが、ベースにないと不妊治療は必ずと言っていいほど成功しません。
2,検査や治療のデータは、治療の生命線であること
※医者はデーターや数字をもとに患者を診ています。カウンセリングやメンタルケアまで責任
を持つ医者は、不妊治療の業界ではあまりいません。
本当にいい病院は、治療計画の中に、カウンセリングを設けています。
実際の治療と心のケアは分業している。そんな病院を見つけるべきです。
3,医療的技術がものをいう、体外受精や人工受精。とにかく担当医はいつも忙しい。
※藁にもすがる思いで、転院しようと焦っていましたが、
結局は、以前の病院に戻ることにしました。
しかし、戻ったにもかかわらず、私の担当医が病院を辞めることになっていました。
これは、とても大きなショックでした。
今回のお話は、ここまでです。次回は、いよいよ 私が妊娠できた不妊治療専門クリニックに転院したお話をします。